【毒親介護が始まったら逃げられない】少しでも距離を置いて心を守ろう

なんで嫌いな親なのに介護してるの?
放棄して家出ればいいじゃん。

そんな簡単なように言われるけど、何度考えてもどう考えてもそんなことできるはずがない。

それは親に同情しているからでも、周りの目が気になるからでもない。

大人になってもなお、親からの手錠がかけられた状態で、介護という十字架を背負わされた暁には簡単に逃れることなどできないのです。

この記事では、22歳でDV毒親の介護と借金に襲われた女が「毒親の介護が始まったら逃げられない理由」について話していきます。

合わせて、ほんの少しだけ十字架の紐を緩める解決策も後半でお話するので、最後まで読んでもらえたら幸いです。

早く離れたい人はコチラを参考にしてみてください

なつゆめ

この記事を書いている人

  • 22歳で毒親介護と借金に襲われる
  • 元介護事務(包括・施設)
  • Webライター
  • 介護家族ファースト

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目次

毒親介護が始まったら逃げられない3つの理由

基本的に親の介護が始まってしまうと毒親であろうとなかろうと、完全に逃れることは難しいです。

そこには介護義務というものが伴うのですが、子供側に生活の余裕がなければ介護義務を果たす必要はありません。



とはいえ、毒親においてはここからが問題で…

いくらまわりや法律が「生活に余裕がなければ介護義務を果たさなくてもいいよ!」と言ってくれたとしても、毒親であるがゆえに、どんな厳しい状態でも介護せざるを得なくなる。というのが現実としてあります。

その主な理由が以下の3つ。

  • 洗脳、共依存状態にある
  • 仕返しが怖い
  • 介護を強要される

これら3つの理由についてもう少し深堀りしてみます。

洗脳、共依存状態にある

毒親にも様々な種類がありますが、自称「子供を大切にしている」タイプに多いのがこの「洗脳・共依存」です。

毒親は子供に「親は大切にするもの」「親の言うことは絶対」「お互いが愛し合う関係」などと、幼少期から歪んだ愛を注いでいます。


そのため、大人になって「愛情のベクトルが違う」と薄々感じていても、その歪んだ愛の手錠を解き放つことは難しいです。


そのような状態で親の介護が始まってしまうと「介護して当たり前」「親孝行しなくちゃ」「愛してもらったから」などと、本来自然に形成されるべき親への感情が、半強制的に湧き上がってきてしまうのです。

歪んだ愛を注がれ、見えない鎖で繋がれた親子関係は介護によって更に強く絡まってしまいます。


異常に気が付いた時にはお互い精神的に離れられず、共依存に陥っている可能性もあります。

仕返しが怖い

幼少期に明らかな虐待をされていた、暴言を吐かれていた。

もしくは大人になってからもDVを受けていた。

そのような場合は、自分が介護を放棄することでまた仕返しとして暴力を振るわれるのではないか?という想いから、介護から逃れられない状況もあります。


要介護と言えども、寝たきりになるだけが介護ではありません。

認知症や精神疾患により、歩く食べる寝ることはできても誰かの手助けがなければ生活できない状況だってあります。


そのような場合、もし万が一介護を放棄しようものなら、認知症だろうがなんだろうが地の果てまで追いかけて虐待されるのではないか?そのような恐怖を感じてしまうのです。


筆者の場合はこのタイプでした。

介護を強要される

洗脳・共依存状態にある、仕返しが怖い、両方に繋がるのが「介護を強要される」です。

「私たちのことなんて気にしなくていいから自由に生きなさい」そんな風に言ってくれれば、仕返しを怖がることもないですし、自然に「できることがあればしたいな」という感情が湧いてくるはずです。


とはいえ、毒親は基本的に自分のことしか考えていません。

  • 自分が辛いときは子供が助けるべきだ
  • 自分は愛されて当然だ
  • 自分は尊敬されて当然だ
  • 子供は親の介護をして当たり前だ

このように、直接的・間接的に介護を強要されます。

それが結果的に洗脳・共依存や仕返しが怖い、という感情に繋がるのです。

筆者が体験した毒親による介護強要

実際に毒親の介護が始まってしまい、結果的に22歳から8年間も介護生活を送ることになった筆者の介護強要体験談をサクッとお話していきます。

結婚しないでほしいと言われる

「なつゆめが結婚してしまったらどうしよう」父の口癖です。

そりゃ父親なら誰しも娘がお嫁に行ってしまうのは寂しいと思うのですが、我が父の言い分は違いました。

私がお嫁に行くと誰が僕の面倒を見てくれるんだ。誰が僕の心を満たしてくれるんだ。

そんな感じです。

別に一緒にいてあげたらいいじゃないか、と言われるかもしれませんが、その依存されてる感が私の背中にずっしりと重くのしかかってしまい生きてること自体辛い時期がありました。

施設には入りたくない

介護をしていると必ずは直面するであろう、施設に入れるか否か。

もちろん私も父を施設に入れることを何度も検討・試みました。

しかし父は「施設には張りたくない」の一点張り。

その理由は「私に」介護をしてほしいから。「私に」話を聞いてほしいから。「私と」離れたくないから。

娘の私に深く依存していた結果、施設で暮らしたくないという理由でした。(もちろん他にも理由はあります)


こちらからすればDVをしていた(している)のに、よくそんなことを言えるなという感じですが、父は悪気なく心からそう思っていたのです。

介護が始まってしまうと、いくら憎い酷い親でも介護から逃れることは出来ません。
とはいえ、付き合い方の工夫次第では、適切な距離を保ちながら介護生活を持ちこたえることはできます。

なつゆめ

意識をして距離を保つことが大切です

毒親介護は適切な距離を保とう

介護はプロに任せましょう。

頑張りすぎないことが大切です。

よく言われる文言です。

しかしプロに任せようにもお金もないし本人が全力拒否する。

頑張りすぎないと言っても頑張らなければ双方の死が見える。


何度も言いますが、毒親介護から完全に抜け出すことは難しいです。

そこで筆者が実践していた心の保ち方、生活の維持方法がこちら。

意識して距離を取る

ここでポイントになるのが「意識して」という部分。

基本的に、親側は無意識にこちらに依存していますし、無意識に親の介護をして当たり前だと思っています。

それが当然だと思っているので、もちろん悪気もありません。

そのため、こちら側が意識的に距離を取ることが介護から離れる唯一の手段となります。



例え1日1分でも良いので「意識して」小さなことから距離を取っていきましょう。

ネネちゃん

でもどうやって距離をとるにゃ?

なつゆめ

それはそう。
小さなことから実践していくと良いよ

小さな距離から少しずつ

毒親さんたちの言動はいくら非常識で歪んでいても悪気がないことが多いです。

そのため正論を振りかざすとブチ切れる。いきなり離れると逆ギレするなどの現象が起こり得ます。

介護生活が辛い現状はもちろんありますが、いきなり強制的に施設に入れるや夜逃げするのではなく、本人に気付かれない程度に少しずつ距離を取っていきます。

何度もかかってくる電話を1度だけ出ない、郵便を見に行く等理由を付けて少し家を出る。などでもOKです。

隙あらば、本人から物理的に離れることが、心を守る上で大切です。

筆者がやっていた距離の取り方

トイレに引きこもるといった馬鹿げたことから、土下座級のお願いをしてショートステイに入れる大掛かりなことまで、様々な距離の取り方を実践してきたのですが、その中から少しだけピックアップしたいと思います。

キッチンに立っている時は聞こえないフリをする

父は基本的に話を聞いてほしい人です。それも一方的に。そしてとにかく共感してほしい。

しかし、一方通行の会話を聞き続けるのはなかなか厳しいので、黙らせる時間を作りました。

「キッチンに立ってる時は、調理する音で話があんまり聞き取れないよ」ということを時間をかけて何度も言い続けました。

本当はだいたい聞こえるのですが、そうでもしなければエンドレスに話を続けるため、こちらの心が持たないので。

仕事の残業や出張があるフリをする

父の介護のため残業や出張のある仕事はしていません。

とはいえ、そのように父に伝えてしまうと依存度が高くなってしまうので、「今日は残業があるから少し遅くなるよ」などと伝えておき、その時間は自分の自由時間にさせてもらっていました。

毎日その手法を使うと「そんな残業が多い仕事はやめて僕の介護に集中しろ」となってしまうので、自分の身体が疲れている時限定で使っていました。

身体介護が不要なため、少し放置したところで命に関わるような問題は発生しないがゆえできたことだと思っています。

食事を作らない

介護において大きな負担なのが食事。

食事を作る時間も「介護の時間」として縛られているのが苦痛だったため、宅配弁当サービスを利用しました。

1食600円以上するので、毎食ではありませんが、週3回入れるだけでも負担は軽減されたので多少お金がかかっても取り入れてよかったと思っています。

なつゆめ

話始めたらキリがありませんが、自分のできる範囲で意識的に距離を保つように心がけていました

毒親介護は逃げられないけど意識すると距離は取れる

毒親介護から完全に逃れることは無理に等しい。

しかしそれは介護する側が心身ともに潰れてしまう。

それならば毒親特有の「依存や強要」を逆手に取って、親の特徴を見極めつつ意識的に距離を保つことで、介護生活を乗り切ることは可能です。


いろんな状況がある中で、全てが教科書通りにはいきませんが、100人いたら100通りの方法があるので、少しずつ対策を考えていければそれだけで大成功だと思います。

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