2020.4月、緊急事態宣言発令。
世界は一気に変わってしまいました。
世界中がコロナウイルスという未知の生命体に襲われました。
コロナのせいで何もかもが変わってしまいました。
コロナのせいで入院中や施設に入居中の家族には会えなくなってしまいました。
ですが、面会ができなくて苦しい人ばかりではない、会えなくてホッとしている人もいる。
私自身がそうなのです。


面会はできません。
コロナ禍の真っ最中に父は入院しました。
それまで8年間父の介護をしていたので入院しただけでもホッとしたのは事実です。
「入院しても面会しないといけないしな…」そう思っていたのですが、ところがどっこい。
「コロナなので面会はできないです。ごめんなさい」看護師さんの言葉でした。
もう罵声を浴びせられることはないんだ。
もう鬼の形相を見ることはないんだ。
もう我慢する必要はないんだ。
一気に肩の力が抜けたのを覚えています。
終末期だから面会しても良いですよ
父は末期の肺がんです。
入院当初は面会ができないことになっていたのですが、荷物を持っていくと「面会されますか?」と聞かれました。
いや、できひんのちゃうんかい!と思いながらも「会ってあげてください」と言われるがまま、父の病室へ連れていかれました。
どうやら終末期ということで制限はあるものの面会を許可してくれたようです。
普通であれば有難い話なのですが、これまでDVを受けていた私にとっては苦行でした。
病院で閉鎖的な空間ではないものの、それまでの記憶が先行して父の顔を見るのはやっぱり怖いのです。
病院側も家庭環境を理解した上で本人の希望を優先して面会を許可してくれているのだと思います。
とはいえ、コロナは都合の良い理由付けになる
病院側が気を利かせて面会を許可してくれていますが、このご時世、普通に考えて病院に長時間居続けるのは気が引けます。
もし万が一自分がウイルスを持っていて父や看護師に移して院内で広がってしまったら…
そもそも父には会いたくないし…
「移してしまったら大変なので」という鉄壁の謳い文句で面会をしない日もあります。
ありがとうコロナ禍。
SNSやニュースを見ると「コロナのせいで全てが変わってしまった」などとネガティブな話題が流れますが、私のようにコロナのお陰で逃げ道ができている人も少なくないのかな。なんて思っています。
冷たいわけじゃない、自分で自分を守ることができてる。 すごいことだよ
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