【親の介護は義務】日本人は生まれながらにして親の介護という十字架を背負っている

こんにちは、なつゆめです。
うつ病父の介護をしながら介護事務で働く29歳女です。

7年間、介護をする中で「介護を放棄したらどうなるのか」と何度か思ったことがあります。

結論から言うと、親の介護を放棄したら罪になる可能性があります。
つまり、法律的には親の介護は子供の義務ということなのです。

若いうちに親の介護が降りかかってきた私としては勘弁してくれよ、という感じなのですが、残念ながら法律には逆らえません。

この記事では

・義務とはどういうことなのか
・義務があるのはどこまでの血縁なのか
・義務を果たせない場合の解決策

をお話していきます。

目次

親の介護は子供の義務

1.介護の義務とは「お金の支援」

介護は義務、と聞くと、四六時中お世話をするイメージを持つ方が多いんじゃないでしょうか?
しかし、法律上の介護義務とは「お金の支援」のことを言います。

したがって、親と生活を共にしてずっと親の側にいて生活の面倒を見なければいけないということではないです。
お金さえ出せば、一般的にイメージする「介護」をする必要はないです。

ここで注意したいのが

お金さえ出しておけば、あとはプロにお任せ!という訳ではないです。

お金を支払うということは、保護者、契約者ということになります。

万が一のことがあれば対応する必要がありますし、手続きも代行する必要はあります。

2.介護義務がある血縁はどこまでなのか

介護義務があるのは以下の図の通りです。

要介護者(本人)の
・子供
・配偶者
・親
・孫
・兄弟
に介護をする義務があります。

ただ、一般的には介護は子供が担いますよね。

子供は生まれながらにして「親の介護」という十字架を背負ってしまうということです。
それがどんな親であろうと、親子という血縁は法律上では切れません。

親孝行をしたい、という人ばかりではないはずです。

もし、まだ介護が始まっていない方でどうしても親の介護をしたくない。という方。

全ての血縁関係を完全に切って海外逃亡するしか、介護から完全には逃れられない事をお知らせしておきます。

それができなければ、親の介護を担うという覚悟を今ここでしてください。

そして、介護はお金で解決できるということを覚えておいてください。

3.義務だけど強制ではない

「義務って言われても無理なこともあるじゃん!」と思ったそこのあなた。

そうです、義務ですが強制ではありません。

義務というのはあくまで自分の生活に余裕がある人のみに発生するものです。

ただしここで悲報です。

余裕があるかないかは自分で判断するのではなく、家庭裁判所が資産や生活状況を調査して初めて「余裕がない」と認められるのです。

単刀直入に言うと生活保護を受けるレベルの状況でない限り「余裕がある」とはみなされません。

厳しいですよね。

親の介護を無視すると罪になるかもしれない

そして冒頭で少し触れました「介護を放棄したらどうなるのか」というお話。

ここでまた悲報です。
捕まる可能性があります。

2020年現在の日本の法律だと親子の関係は切ることができないため、生涯にわたって親の介護の義務は続きます。
先ほど義務は強制ではないとお話しましたが、義務を無視すると次の刑事罰を受ける可能性があります。

「保護責任者遺棄致死罪」

面倒や保護する義務があるのに、何もしなかったため、対象者が死亡した場合にかけられる罪。

「保護責任者遺棄致傷罪」

面倒や保護する義務があるのに、何もしなかったため、対象者が傷害を負わせた場合にかけられる罪。

参考:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045#925

上記に関連する、目を背けたくなるようなニュースをたまに見ますが、他人事ではなく、誰もが可能性のあることです。

ネネちゃん

こんなの荷が重すぎるにゃ。
自分は生活が苦しいと思ってるのに裁判所に認められないと義務から逃れられないなんてきつすぎにゃ。

人間は大変だにゃ。

なつゆめ
ほんまそれやで、なんとかならんのかなとは思うけど、現状の法律はこれやから仕方ない。
現実の中で生きていくしかないしその中でなんとかしていくしかない。
でも、方法はあるから今から説明していくで。

介護義務を果たす余裕がない時の3つの解決策

先ほども説明した通り、介護の義務とは「お金の支援」のことを言います。
どうしても、その義務を果たせない時の最後の砦策3つをお話します。

1.自分自身に余裕がないという意思表示をする
2.本当に親はお金を持っていないのか確かめる
3.親の生活保護を申請する

1.自分自身にお金の余裕がないという意思表示をする

生活に余裕があるかないかの判断は家庭裁判所が行うと説明しましたよね。

でも、そんなんこっちからすりゃ、他人に何がわかる?って話じゃないですか。

数字的に、法律的に、余裕があると判断されたとしても、こちらとしては余裕がないことだってあります。

なので、その場合は「余裕がない」と言い続けることです。
役所でも裁判所でも、警察でもケアマネでも施設でも誰でもいいです。
伝えられる人すべてに「とにかく余裕がない!このままでは自分が死にそう」ということを訴え続けてください。

それで、もし自分自身や親になにかあった場合、その意思表示が罪のリスクを軽減させてくれます。

SOSは出し続けましょう。

2.本当に親はお金を持っていないのか確かめる

認知症等の記憶障害になってしまうと自分の預金がいくらあるかという記憶も曖昧になりがちです。

本当に今ある口座しかないのか。

家の中をひっくり返す勢いでお金になるものを探すということもできます。

もしかしたら負の遺産が出てくるかもしれないので、それも早めに解決した方がいいです。
借金は勝手に減りませんからね。

できれば、親が認知症になる前に手を打っておきたいのでエンディングノートを書いてもらうのは必須です。

エンディングノートについてはこちら

3.親の生活保護を申請する

これができたら苦労しないわ!という方もいらっしゃいますよね。
ごもっともです。

これも強気で行くべきです。
「とにかく逼迫しているので、相談ではなく申請に来ました!!!!」
くらいの勢いでいきましょう。

もし生活保護の申請が通らなくても「境界層」に該当する場合もあります。

境界層とは生活保護は適応しないけど、介護保険に関する負担を減らすことで生活に余裕を持たせる、という制度です。

これに関しては知らない人が多いので、とりあえず生活保護の申請はチャレンジしてみてください。

諦めたら終わりなので、しつこいくらい攻めるべきです。

まとめ

かなりシビアな話をしてきましたが、もう一度言います、親の介護は義務です。

目を背けたい現実や心情はあるかもしれません。

ですが、そこから脱却できるのはあなたしかいません。

諦めないの精神で、自分の人生を生きてください。

▼介護が楽になる記事はこちら▼

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