こんにちは、なつゆめです。
22歳で父の介護と借金に襲われた元介護事務の女です。
約8年間介護をしてきましたが、そのうちの5年間は介護施設探しに奮闘していました。
施設探しをする時は、いろいろな条件を比べてどの施設が良いのかな?と見定めますよね。
実は我々、利用者家族が施設を見定めるのと同じくらい、施設側も私たちのことを見ているのです。
この記事では、元介護事務、且つ父の施設を5年間探し続けた私が、施設見学時の施設側目線についてお話していきます。
入居拒否事例やその対策についても綴っていますので、是非最後まで読んでいただけると幸いです。

見学の際、施設側は何を見ている?

いきなりですが、施設見学の際は、私たち家族が施設の内部を見るだけではなく、施設側も家族や利用者のことを見ています。
本当にうちの施設に入居できるのか?
入居して安全に生活してもらえるのか?
トラブルに繋がる種はないか?
直接会ってお話できるからこそ、施設側も利用者の深い部分まで見ようとします。
実際にどんなところを見られているのか気になりますよね?
主に下記の3つ
- 利用者の心身の状態
- 利用者の性格や生活状況
- 家族の性格や生活状況

1つずつ解説していきます!
利用者の心身の状態
施設に入居する際は当たり前ですが、利用者の心身の状態(ADLやQOL)が施設側で受け入れられる度合なのか?が重要です。
極端な話ですが、介護度が重い状態の人を、グループホームやサービス付き高齢者住宅で看るのは難しいですよね。
施設探しをする際、検索サイトで「胃ろうOK!末期がんOK」などの項目があると思いますが、それはあくまで「受け入れ検討は可能だけど、実際の状態を聞いてみないと判断はできませんよ」ということです。
入居後のミスマッチが起きないようお互いのためにもしっかり見定めておくべき項目です。
入居拒否されるかもしれないと、本人の身体の状態を良いように偽って話すのは入居後に苦労するので避けましょう。
利用者の性格や生活状況
本人の心身状態はもちろんですが、性格や生活状況も見られています。
例えば、人見知りで静かに暮らしたい人が、明るく賑やかな雰囲気の施設に順応できるのか?
はたまた、トラブルメーカーになるような人ではないか?
利用者同士のトラブルは施設側も避けたいところです。
そのトラブルの発端になるような人が入居されると施設側も困ります。
また生活状況についても同じです。
リアルな話ですが、預貯金はどれくらいあるのか?年金はいくらなのか?
施設運営も商売ですので未払いでは困ります。
生活保護でも入居できる施設はありますが、そうでない施設も多いので、金銭面で余裕のあるか否かはシビアです。
このように本人の性格や生活状況は、施設側が入居を判断する際の判断材料には十分なるのです。
家族の性格や生活状況
本人だけではなく家族も見られています。
率直に申し上げますと以下の2点。
- クレーマー気質ではないか?
- 保証人として利用料を払える状況か?
ここからリアルな話をします。
私が働いていた施設では初めての入居で、家族の性格や生活状況を理由に入居をお断りすることはありません。
「この人クレーマー気質っぽいな」という人がいても、それを理由に断ることはありませんでした。
とはいえ、施設入居している時に本人が病院へ入院した場合、再度施設に戻ってくるのは何かと理由を付けて断っていたことがありました。
それは入居時の家族のクレームがすごかったからです。
今「意見とかも言っちゃダメなのかな?」と思った人はその時点でクレーマーではないので安心してください。
明らかにおかしいことや、質問や気になることは、普通に言えばOKです。





こんな感じで私たち利用する側もいろいろ見られてます
入居する際は施設側で検討会議をする


いざ、見学や面談が終わって入居希望をしたとします。
そこでじゃあ契約!というわけではなく施設側で入居の可否を判断する会議をします。
- 施設長
- 介護部長
- 看護部長
- 事務部長
- 相談員
- 介護主任
- リハビリ部長
施設の幹部である早々たるメンバーで「本当に入居させて大丈夫か」という会議が行われるのです。



ここで弾かれることもあるってわけにゃ?



そりゃあるよ
入居のNG事案


施設見学や面談を経て、めでたく検討会議に辿り着いたけど入居に至らなかった事案はもちろんあります。
当たり前ですが、本人の心身の状態が施設では看れないというのが1番多い拒否理由です。
本人の心身状態以外の理由を2つ紹介します。
実際に働いていた時にあった事案です。(個人情報は伏せています)
家族が鬼クレーマー
一度施設に入居していましたが、入院により退去。
その後また施設入居を希望していましたが、入居時に家族のクレームが激しく施設の運営に支障を来すという理由で拒否になりました。
施設スタッフや他の利用者を守るためにも致し方ないですね。
利用料滞納
こちらも一度施設入居されていて、入院後、再度入居希望だった案件です。
入居時から利用料を滞納しており、退去した後も払っていませんでした。
もちろん家族はいましたが、本人・家族共に利用料を払う経済的余裕はあったようですがなぜか払ってくれませんでした。
施設は慈善事業ではないのでお金を払ってくれないのであれば退去理由にもなり得ます。



本人のADL以外での拒否はよっぽどの理由ということですね
施設見学や面談で家族が気を付けたいこと
よっぽどではない限り、家族や本人の性格・生活状況を理由に入居拒否されない。とはいえ、リスクはできるだけ下げたいですよね。
施設見学や面談においてほんの少しだけ気を付けたいことを2つ紹介します。
横柄な態度を取らない
当たり前ですが、お金を払って利用する立場(お客様)ではありますが、気分を害するような横柄な態度は避けましょう。
立場は対等なので、お互い気持ちよくお話できるのが1番です。
突っ込んだ話をし過ぎない
「施設見学をする際に聞いておいた方が良いこと」をネットで調べると、かなり突っ込んだ質問を見かけることがあります。
例えば
- 離職理由は何ですか?
- 教育体制はどうなってますか?
等、もちろん大切な家族を預ける場ではありますが、あまり突っ込んだ話をし過ぎると警戒されてしまいます。
どうしても気になる場合は施設の採用ページを見ると良いでしょう。


施設見学はお見合い
施設見学は利用する側だけが見定める場ではありません。
想像する以上に施設側も利用者をよく見ているので、対等な関係で接することができると良いですね。