病院や介護施設の食事はまずい!そのような噂を聞いたことはありませんか?
実際に介護施設では食事に関するクレームが多く、私自身も介護事務として働いていた中で、何度か食事に関するご要望を承ったことがありました。
とはいえ、介護事務時代、週に1度検食(利用者と同じ食事を利用者が食べる前に食べる)をしていて感じたこと。
それは決して不味くはない。ということです。
以前このようなツイートをしました。
病院や施設の食事が「不味い」と言われる原因は味のトーンにあると思っている。
ひっくり返るほど不味いわけではなくて、これを毎日食べるのはきついな…という意味での不味い。
味の種類は違えど、どの食事も一定のトーンで刺激がなく濃さも同じ。
要するに飽きる。
そう、別にひっくり返るほど不味いわけではない。
個人的には普通に美味しいと感じていました。
とはいえ、長い期間を過ごす施設生活です。
単調な生活の中で唯一の楽しみとも言える食事が味気ないのは日常に彩がなく寂しいものですよね。
この記事では
- 施設の食事の提供方法
- 施設の食事が不味い理由
- 利用者側ができる対策
- 食事が美味しい施設選びのコツ
以上の4つについてお話していきます。
後半では「食事が美味しい施設を探せる施設検索サイト」の紹介をしていますので、食事にこだわっている施設を希望する方は要チェックです!

介護施設における食事の重要性

病院や介護施設の食事は味気ない、味が薄い、美味しくないと言われがちです。
しかし病院と介護施設では食事の重要度が全く違うと筆者は考えています。
いくら健康に気を使い、食べやすい食事にする必要があるからと言っても、特に介護施設の食事は美味しくあるべきだと思うのです。
※病院の食事が不味くて良いというわけではありません。
施設は長期間過ごす場所
介護施設は一時的に入居するとはいえ、その人が長期間過ごす場所。
終の棲家にする人も少なくありません。
介護施設への入居期間の平均は2~4年程度と言われており、その期間毎日3食施設で提供された食事を食べます。
長期間、もしくは最期まで、「美味しくない」と感じる食事を毎日3食はさすがに厳しいですよね。
ただでさえマイナスなイメージを持たれがちの施設なのに食事まで美味しくないと入居したいと思うはずがありません。
長期間過ごす場所だからこそ、美味しい食事を楽しみたいはずですよね。
唯一の楽しみ
介護施設では様々なレクリエーションやイベントがあったり、もちろん家族との面会もできたりと、入居者それぞれにとって楽しみにしている時間はあるでしょう。
とはいえ、ずっと同じ建物の中で、同じ人と顔を合わせ、特に代わり映えのしない毎日を送っていると退屈にもなります。
そんな中で入居者の楽しみと言えば食事。
温かいご飯、彩の綺麗な盛り付け、バリエーション豊かな食事メニュー。
毎回の食事が楽しみであるかどうかはその人の暮らしにおいて重要ポイントであると言えるでしょう。

「住む場所」と考えると食事は最重要事項だにゃ



自分のことに置き換えると食事の重要性に気付くよな
誰がどのようにどこで調理して食事を提供しているのか?


では、生活するうえで最重要事項である食事。
施設ではどのように食事が提供されているのか気になりませんか?
「どのように」というのは
食堂でみんなで集まって食べるのか個室で食べるのか?
食事時間は決まっているのか?
自分で食べるのか?食事介助はどれくらいしてもらえるのか?
といった話ではありません。
誰がどのようにどこで調理して食事を提供しているのか?ということです。



そんなの美味しさと直結するにゃ?



誰がどこでどうやって食事を作ってるかは、食事の美味しさに天地の差が生まれるで。
施設の食事の提供ルートは主に3つ。
- 完全委託
- 施設内で委託職員が調理
- 施設内で自社職員が調理
完全委託
完全委託とは外部の業者が施設の外で調理し、できたものを施設まで運び、施設で解凍orレンチンをし提供する方法です。
一般家庭でも利用できる宅配弁当業者から施設専門の宅配弁当業者まで様々です。
完全委託の場合は盛り付けのバリエーションにも限界がありますし、そもそもレンチンだと味が劣ります。
出来立てのほかほかご飯を口をはふはふさせながら食べることもありません。
たまになら良いですが、毎日こういった簡易的な食事を食べているとさすがに飽きますし、食事が億劫になってしまう人も出てきます。
施設内で委託職員が調理
筆者が働いていた老健はこのパターンでした。
施設内で調理はするけど、調理している人は委託の業者のおばちゃんです。
この場合、施設内で調理するので出来立てが食べられますし、見た目が楽しい盛り付けも可能です。
一つ欠点として、食事の美味しさを左右するのは委託業者のおばちゃん次第ということです。
例えば食事が不味かったとしても、施設の運営側に責任があるわけではなく委託会社の責任なのでクレームを入れても「委託業者に伝えておきます」といった生ぬるい返事しか返ってきません。
不味い食事を改善しようと思うと、業者を乗り換えるという事態になります。
施設内で自社職員が調理
「食事が美味しい施設」のイメージとして、施設内で調理することはもちろん、自社でメニュー開発、自社スタッフが調理をする。といったポイントが挙げられます。
何から何まで自社提供なので、利用者の反応を直に見ることができ改善や開発にも直結すると思います。
そもそも食事が美味しい施設を探したい場合は、「施設内で自社職員が調理している」ことを条件に探すと見つけやすいかもしれません。
とりあえず施設内調理の施設ならば大外れはないと思います。
元介護事務が考える施設の食事が不味い原因


筆者は老健で介護事務として働いており、施設の食事を何度も食べていました。
検食ではもちろん、社員食堂で安く食べられるのでお弁当を作るのが面倒な時はお世話になっていました。
しかし私自身、施設の食事が不味いと感じたことはありません。
では、なぜ施設の食事が不味い。と言われるのか?
筆者が働いていた施設の食事のスペック
- 老健
- 施設内調理
- 委託職員が調理
- いつも温かい
- ご飯と汁物は利用者の目の前でよそう
- 和洋中バリエーション豊富
- たまに訪問寿司、訪問お好み焼き等がある
- 個人的には美味しかった
- 不味いという人もいた
- ソフト食は可愛い型で見た目もgood
私が働いていた施設の条件を前提で考えた時に挙げられる問題点が3つあります。
それがこちら
- 味のテンションが一定
- 旨味が少ない
- せわしない食事風景
味のテンションが一定
何度も言いますが私が働いていた施設の食事は決して不味くはありません。
とはいえ、不味いと言う人もいました。
その原因は何なのか?
それは味のトーン・テンションが一定なことにあると思っています。
トーン?テンション?何それ意味不明。と言う方にもう少し詳しくお話します。
味には、甘い・辛い・酸っぱいなど様々なバリエーションがありますよね。
もちろん施設で出る食事もいろんな味を楽しむことができ、和洋中はもちろん家では作らないような変わり種もありました。
とはいえ、そのどれもが「優しい味付け」なのです。
例えば、肉じゃが。
肉じゃがと言えばあまじょっぱい味付けですが、そこに七味や柚子胡椒を入れると格段に美味しさがアップしませんか?
しかし施設では基本的に味のアクセントになるようなスパイスや濃い目の味付けはしていません。
そのため味に締まりがなくパンチのない、パステルカラーのような味付けになりがちです。
決して不味くはないのですが、どこか物足りない。そのように感じてしまう人もいるでしょう。
旨味が少ない
前述した「味のトーンやテンションが一定」にも通ずることですが、施設の食事では圧倒的に旨味がないように感じます。
鼻から抜ける魚の出汁の香りや滴る肉汁、湯気から昆布の香りが…といったことはほぼありません。
家で出汁から取った味噌汁を作る人や、よく外食をする人にとっては、かなり物足りなく感じてしまうと思います。
せわしない食事風景
最後に「せわしない食事風景」
食事の味と直接関係するわけではないのですが、施設での食事風景はそれはそれはせわしない。
入居者一同がリビングに集まり、わさわさと配膳され、食事介助が必要な人には職員が付きっ切り。誤嚥しないかあたりをキョロキョロ。事務の私から見ても食事時間は声をかけてはいけない雰囲気が漂うほどバタバタしています。
そんな中で落ち着いて食事ができるでしょうか?
いくら美味しい食事だったとしても食事をする環境が良くなければ、美味しいものも美味しくなくなりますよね。
これに関しては職員不足などが問題ですが、気持ちの良い食事時間を提供することも「食事が美味しい施設」の条件だと思っています。



じゃあ施設選びが要になるにゃ



もちろん食事が不味い施設を選んでしまうとどうしようもないけど、自分でできる美味しい食事を楽しむ工夫もあるで
施設の食事を楽しむ工夫


私自身が施設の食事を食べていて感じていたのは、全ての料理において味付けが優しくパンチが効いていないことでした。
そのためこれを毎日食べるのは、どこか物足りなさを感じてしまうのではないか?と思っていました。
そもそも食事が冷たい、レンチン弁当を提供している、など美味しくする努力がなされてない施設は別ですが、「不味くはない食事」を「美味しく」楽しむための工夫は利用者側にもできると思っています。
ここからは実際に、筆者が働いていた施設の利用者や家族が実践していたこと交えながら「施設の食事を楽しむ工夫」についてお話していきます。
ご飯のお供や味変アイテムを用意する
前述している通り、決して不味くはない施設の食事ですが、どこか物足りなさを感じてしまうのも事実。
そこで用意したいのが味変できるアイテムです。
利用者さんがよく使っていたのがご飯のお供。
- ふりかけ
- 梅干し
- 海苔の佃煮
等、ご飯を美味しく食べるためのアイテム。
施設の食事は薄めの味付けなのでご飯のお供があると白ご飯も美味しくいただけます。
また、ご飯のお供だけではなくお気に入りの調味料を用意するのも良いでしょう。
ここで注意したいのが施設側の了承を得ること。
私が働いていた施設では、家族が持ってきた差し入れを職員が預かり、食事の時に利用者さんごとに提供する形でした。
施設によっていろいろ決まりがあると思うので、ご飯のお供や味変アイテムを用意したい時はスタッフに確認してみましょう。
職員の食堂には調味料があった
私自身、施設の食事が不味いと感じたことはないのですが、毎日食べていたら飽きるだろうな…と感じることはありました。
そして、少し薄めの味付けだったので、そのおかずで白ご飯をモリモリ食べるのはちょっと物足りないと感じることもありました。
思い返せば職員専用の食堂には、塩コショウ・醤油・マヨネーズ・ケチャップなど自由に使える調味料が用意されており、好きな濃さや味に調整することができました。
毎日社食を食べているスタッフにとっては利用者と同じように「飽き」があったのかもしれないので、調味料は嬉しいアイテムだったと思います。



自分でできる工夫もあるけど、やっぱり根本的に食事が美味しい施設に入りたいにゃ



そりゃ自分で味変せずとも最初から美味しい食事の方が良いよね(笑)
食事が美味しい施設を見極めるコツ
- 施設の食事は不味いわけではない
- 飽きずに美味しくする工夫もある
とはいえ、わざわざ工夫をせずとも最初から食事が美味しいに越したことはありません。
ましてや、ご飯や汁物が冷たくレンチンばっかりの食事が不味い施設だと萎えますよね。
ここからは食事が美味しい施設を見極めるコツを紹介していきます。
資料請求や見学の際の参考にしていただけると幸いです。
施設内調理かを確認する
そもそも美味しい食事は「施設内調理」が大前提です。
施設外で委託業者が調理をし届けてもらう食事が全て不味いとは言いませんが、一から施設内で調理し出来立てを提供してくれる食事と比べると味が劣ることは言わずもがなです。
見学や電話の際に「食事はどこで作ってますか?」などとさりげなく聞いてみましょう。
可能なら試食させてもらう
食事が美味しいかどうかは食べてみるのが一番です。
とはいえ、試食させてもらえる施設は限られていますし、試食させてくれるということはある程度食事に自信があるということなので、「試食可能な施設」を探してみるのも良いかもしれません。



食事が美味しい施設を探すのは気が遠くなりそうだにゃ。



実は食事が美味しい施設を探せるサイトがあるねん。
食事が美味しい施設を探せるサイト
施設の食事が不味いと言われる原因もわかったし、自分で美味しくする工夫があるのもわかった。
でも、せっかく施設に入るならちゃんと美味しい食事を楽しめるところがいい!そう思う人もいるかと思います。
とはいえ、「食事が美味しい施設に入りたい」とケアマネに言ったところで、ケアマネも施設に関してそこまで詳しいわけではありません。
ましてや良さそうな施設すべてに見学へ行き試食するなんて、よっぽど時間に余裕がある人しかできません。
ということで、食事が美味しい施設を検索できるサイトを発見したので、こちらで紹介させてもらいます。
食事が美味しい施設を探すならLIFULL介護
介護施設検索サイトの【LIFULL介護】では「食事が美味しい老人ホーム・施設特集」という何とも有難いシステムがあります。
当サイトで紹介している施設検索サイト8選の中でも、食事が美味しい施設を探せるサイトはこちらだけなので必見です。
\LIFULL介護公式HP/
3ステップでかんたん検索
LIFULL介護では様々な特色を持った施設の特集が組まれており、その中に「食事が美味しい老人ホーム・施設特集」もあります。
3ステップで簡単に検索できるので手順を見ていきましょう。
LIFULL介護のトップページをスクロールすると特集コーナーがあります。






\食事が美味しい施設を探せる/
何を基準に選んでいるの?
食事が美味しい施設なんて、どうしてわかるの?
私も思いました。
ということで、この特集に掲載されている施設の紹介をいくつかじっくり見てみました。
そこである共通点が確認できました。
それは施設自身が「食事の美味しさ」を売りにしていることです。
「食事が美味しい老人ホーム・施設特集」に掲載されいている施設は、明らかに美味しそうな食事の写真や、豊富な食事メニューのPRなどを見ることができます。
実際に施設の公式サイトや施設のブログを確認してみると、見た目判断ではありますが、美味しそうな食事が提供されているようです。
そのためLIFULL介護で探せば、食事が不味い大外れの施設を引く可能性は限りなく低いかと思います。